2回生 広報・新歓担当 長田渉

 「worker」



初めまして、第54代広報・新歓担当を務めさせていただいている、長田渉と申します。


初めに、平素よりご支援いただいております関係者・OBの皆様、この場を借りてお礼申し上げます。拙い文章になりますが、最後までお付き合いしていただければ幸いです。


突然ですが、「work 」(働く)という単語の語源を知っていますでしょうか。元々は、ドイツ語の「wirken」自主的・能動的な活動をするという意味を持つものからきています。また、「働く」と日本語で訳すことのできる他の英単語には

「job」「labour」というものがあります。「job」には、神からの様々な過酷な試練という語源があり、「labour」には、slave(奴隷)のする活動という語源があります。「job」と「labour」の共通点は、受動的もしくは強制的な活動をする、つまり与えられたものに対した行動するという意味があるということです。ここまでの話だと「言語の授業か!」と文句を言う勉強嫌いな同回の部員がいると思うので、そろそろ自分の事を話したいと思います(笑)

この2年間、私が滋賀大学サッカー部で学んだことは、「work」つまり能動的な行動です。

 私は、小学4年生からサッカーを始めました。小4〜中3までは、監督の怖さだけなら県内トップ3には入るような厳しいクラブチームでサッカーをしていました。このチームでは、サッカーの基礎技術や精神面を大きく鍛えてもらいました。しかし、今考えると監督の顔色を常に伺ってプレーしていたと感じます。怒られない事を最優先に考え、監督の言ったとおりに忠実にプレーすること、体を張ってプレーをすること。自分で考えて、能動的にプレーすることは全くしていなかったと思います。これは、ピッチ内だけでなくピッチ外でもそうでした。リフティング100回できないと怒られるから自主練をする、カバンを綺麗に並べていないと罰走があるから綺麗に並べる、罰を防ぐ為のみ動きでした。この6年間の自分は、「labor(受動的に与えられてしか働けない人)」でした。

 そして、高校3年間は新たなクラブチームに入ってサッカーをしていました。このチームは、良く言えば自主性を重んじるチーム、しかし実情は無秩序なチームでした。私は、前チームでの6年間、強制的な力に従ってしか働くことのできない人間になっていたため、このチームではかなり自己中心的なプレーや働きをする人間に成り下がっていました。誰も自分のことを怒る人がいない、まるで温室のような環境。チームの為に働くことなど一切しませんでした。この時の自分は「non- worker(何もしない人)」でした。この3年間は今思うと、やり直したいと思うような時期です。

 ついに、大学生。「サッカーをしたい・就職に有利」そんな要素からサッカー部に入る決断を下しました。9年間で最底辺まで成り下がっていた一回生の時の私にとって、チームに良い結果・影響を与える為に、能動的に働く先輩たちの姿は不思議にしか思いませんでした。自分のことを怒る人はいないのに、なぜここまで献身的なプレーや働きかけを自ら進んでするのか?


一回生の時、練習や試合の準備を真面目にすることもなく、練習もゆるい雰囲気で臨んでいました。この時、何度も自分のことを怒ってくれる先輩達がいました。しかし、私はその存在のありがみを感じることもできていませんでした。

そんな感じで過ごし、2月頃に私は3回生の4月から留学することを決めました。そして3月頃、自分たち54代の幹部決めが始まりました。私は、留学をすることを理由に幹部の仕事をやらないことを伝え、54代組織の外から幹部決めを見ることになりました。そこから約2ヶ月間、全く進まない幹部決めの様子や同回生同士がお互いのことをまだ良く理解しきれていないことなどを理由に、このままいくと54代組織が空中分解してしまうことがみえました。ちょうどその時期、コロナが大流行し、私は留学を断念し54代で幹部をすることになりました。この時、空中分解への危機感から、人生で初めてチームのために能動的に働きかけることを決意しました。部員一人一人と積極的コミニケーションをとることをしました。そして、彼等一人一人と話していく中で、彼等が素晴らしい考えを持っていることに気づかされ、それを全体に共有する様に促す活動を試行錯誤しながらしました。また、これまで組織のために能動的に働いていた先輩や自分の事を叱ってくれていた先輩・自分がAチームに選ばれることよりもBチームで後輩の育成に尽くす先輩、彼等「 worker(能動的に働きかけることのできる人)」のありがたみや苦労にも気づきました。

そして、正式に役職を決定するとき自分は「どんな役職でも良い」と全体に言いました。この言葉は、一回生の時の私のままでも言っていたと思います。しかし言葉としては一緒でも、そこに含まれる意味は180度違うものです。言われたら何でもやる・何もしたく無いから何でも良いと言う「labor」「non- worker」としてではなく、どんな役職でもチームのために能動的に働ける「 worker」としての自信がそこには含まれています。

 「worker」になる考えを持ってからはプレー内容も変わりました。試合中は、自然と必死に走り回り、スライディングをし、泥臭くチームの為にプレーできるようになっていました。そして今、幹部として誰よりもチームの為に能動的に働けるよう全力を尽くしています。

自分に変化を促したサッカー部の素晴らしい環境や先輩達の働きを、自分も繋ぎ続けるとともに、その財産に新しい価値を付与できるように1プレイヤーとして、広報・新歓担当として働き続けたいと思います。


ここまで長い文章となりましたが、ご精読ありがとうございました。これからも部員達のブログリレーが続きます。楽しみにお待ちください。

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