" 今、ここにいる理由 " 河合将利



今回ブログを書いていただくのは、第51代で主将を務め、現在海外留学中の河合将利(かわいまさとし)です!




 皆さん、こんにちは。第51代で主将を務めておりました、河合 将利と申します。チームを去った自分にこのような機会を与えてくれた現役幹部の皆さん、ありがとうございます。同時に、このブログリレーという取り組みを始めてくれた事にも感謝申し上げます。ここ2カ月間、このブログの更新が楽しみで仕方ありませんでした。3年間をともにした同回生の心の声を聞けたような気がして非常に嬉しかったです。



 本題に入ります。書いていきたい内容は、大学生になってまで、わざわざサッカーをしている理由です。正直、これを聞かれると口ごもる人が大半だと思います。僕も実際にそうでした。現役の方も既に引退された方も、一緒になって考えて頂ければ幸いです。

 「とくに理由は無いかも…。今までやっていたから…。新歓で先輩たちに流されたから…。就活に強いと聞いたから…。シンプルに好きだから‥。」

 大半の滋賀大サッカー部の部員はこう答えると思います。僕が入部した理由も、サッカーを続けたかったと言うより、サッカーを辞める気に何となくならなかっただけでした。正直、大学生になってまでサッカーを選んだ理由にしては甘い決断でした。 





 このことについて深く考え出したのは、3年次に参加したあるセミナーがきっかけでした。その場でこの質問を人生で初めて投げかけられましたが、いくら絞り出しても自分の中から答えを見出せませんでした。情けないと同時に、「もったいない」と強く感じました。

 学生主体の大学サッカーは高校までのサッカーとは一線を画します。優れた指導者から恵まれた環境や成長の機会を与えてもらえませんし、技術面で急激な成長が見られることも滅多にありません。また、大学生活は「人生の夏休み」と揶揄されるほど、色んな機会に溢れています。海外旅行、飲み会、コンパやらを繰り返してその様子をSNSでアップしたり、バイトに明け暮れて有意義にお金を使い回す人もいます。他にも、就活のために入学時からひたすら勉強して資格を揃えたり、知見を広げる為に海外を飛び回る友人も少なくありません。そんな周りに気持ちが揺れる自分が鬱陶しく思い、高校までの同期を非表示設定にしてみたり、「就活ガチ勢やん」とか言いながら心の中で羨ましがったりもしました。だらだら続けましたが、ここで言いたかったのは大学サッカーをするということは、それだけの犠牲を払っているということです。だからこそ、漠然とした状態で日々を過ごしていたことにとてつもない後悔を覚えました。それだけの犠牲を払ってまでやる価値は何だったのでしょうか。

 ここでみんなが頷けるような答えでバシッと締めたいところですが、そんなものは正直思いつきません。考え方は人それぞれで、バックグラウンドまで入れると100人いれば100人とも違う答えが返ってくるものだと思います。身近な例を挙げると、自分の力を何倍にも引き出してくれる仲間と最高の結果を得るため、と答える先輩がいます。また、圧倒的自己成長に軸を置く先輩もいました。他にも、過去の後悔を打ち払う為に戦う人もいます。


 結局どんな答えを掲げようと、重要なことは自身の判断軸・行動軸を明確に理解することだと私は思います。 




「今日も部活に行く意味はありますか?」

 もう一度考えてみて下さい。少しでも口ごもる自分がいるなら考え方を変えてみてください。ここまで時間を費やしている部活動、その意義をスラスラ伝えられないようでは、目的もなく彷徨っているのと同じです。自分が頑張れる原動力は何か、自分を奮い立たせる感情は何か、そこに意識を向けてみてください。自分はこれだ、と自信を持って言える軸は毎日の練習の中に必ず見つかると思います。 


 少しだけ自分の話をします。1回生の頃、不器用でとんでもない程に口下手、おまけにサッカーも下手くそな自分は、試合に出るたびに同じミスを何度も何度も繰り返しては先輩から怒鳴り散らされていました。そんな自分を二つ上の主将は試合に使い続けてくれました。それでも一向にプレーを改善できず、チームに迷惑をかけ続ける自分に耐えられなくなって、こんな状況ならいっそ試合に出たくないと本気で思い始めました。





 かなり追い込まれた精神状態でしたが、何とか自分を奮い立たせる感情がありました。自分を使い続けてくれる人の顔に泥を塗りたくないという思いと、ここを踏み越えてチームの中で飛び抜けてやるという感情でした。 

 大学サッカーは今までの人生の何倍分もしんどい目に遭いました。その都度で自分を保ち続けたのは、期待をしてくれる人に応えたいという想いと、何が何でもトップに立ってやるという反骨心でした。正直、失敗と挫折を経験していく中で何度も何度もブレ続けましたが、その甲斐あってこれらの軸を研ぎ澄ませていく事が出来ました。だからこそ今は、これから先にどんな選択を迫られても迷わず決断できると自信を持って言えます。大した理由もなく選択をした体育会サッカー部への入部でしたが、今はその選択に心から感謝しています。





 最後になりましたが、平素よりご支援頂いております関係者・OBの皆様、この場を借りて御礼申し上げます。誠にありがとうございます。引き続き、滋賀大学(彦根)サッカー部のことをよろしくお願い申し上げます。


           河合将利





                                   

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